FCR+フリーダム





2001年6月1日

〜プロローグ〜
ついにFCRにフリーダムをプラスした。
今まで点火時期はマルハのキャブ用ECUで制御していたが、
今回弐号機のフリーダムを兼用で初号機にも使う事を思いつき、
とりあえず実験となった。
キャブ用ECUの場合、点火時期はエンジン回転数で決めるのだが、
フリーダムの場合、これにアクセル開度をプラスできる。
このメリットは大きいのではないかと思う。
では実際にFCRにフリーダムを追加する場合、
何が必要になってくるかというと、
アクセル開度を検知するスロポジである。
もちろん負圧で制御する事もできるが、
4連の場合安定した負圧をとるには、それなりの工夫が必要で、
スロポジの方が楽だろう。
これからキャブを購入しようと思っている方は、
スロポジ付きを選ぶのも面白いかもしれない。
FCRやTMRには最初からスロポジが付いたモデルがあるし、
OERにもスロポジ付きはある。
これらを購入しておけば、
キャブ+フリーダムの夢も半分叶ったようなものだし、
使われていないスロポジも「訳知り顔」で悪くない。
では私のFCRはどうかというと、
もちろんスロポジ付きではないので加工が必要である。
そこで、
私はFCRを購入したマルハモータースに相談を持ちかけた。
マルハモータースはすでにFCR+フリーダムをテストしており、
結果はホームページにも掲載されている。
しかし期待に反して返ってきたのは、
『スロポジの取り付け等は、まだキット化されていません』
とのつれない答え。
私は早くも膨らみかけたささやかな夢が、
作りかけの小さな砂の城が、
大きな波にのみ込まれ崩れて行くのを、
ただじっと見ているほかなかった。
「世間の荒波は激しく冷たいよ」
と防波堤でおいおい泣いていると、
『特別ですよ』
と、どこからともなく天の声。
結局、半ば泣き落しで加工をして頂いた。
この話を聞いて、
小脇にFCRを抱えた少年達が『えーん、えーん』
とマルハに押しかけるとは思えないが、
『うそ泣きは1回まで』
と釘を刺されたので、どうか御理解頂きたい。

〜取り付け〜
加工から帰ってきたFCRをみると、
切り出したステーにリニア式スロポジが取り付けてある。
心配だったカプラーも汎用の物を加工追加してあり、
後は配線だけというお手軽さ。
配線は純正のスロポジに繋ぐだけだが、
どうやらリニア式スロポジには種類があるようで、
弐号機に使用したスロポジは配線が4本だったが、
FCRに付いてるスロポジには配線が3本しかない。
どちらが良いのかといえば、
B6のスイッチ式スロポジには配線が3本しかないので、
当然3本の方が楽である。
ちなみ弐号機の余った一本はエアフロのアースへ繋いである。
後はフリーダムがB6用(スイッチ式スロポジ用)なので、
本体の変更が必要である。
その辺はこちらの 弐号機フリーダム化計画
を参考にしてほしい。

〜実走〜
まず点火マップをフリーダムのソフトに付属している、
B6-4TSを使用し走ってみる。
これは4連スロットル、スロポジ制御のもので、
比較的点火時期は遅めだ。
フィーリングはエンジンの振動も少なく滑らか。
しかし重い。
言い換えれば遅い。
それにしても、すんなり走るもんだなと、
感心したのもつかの間、
『パン!パン!パン!』
と後方から銃声が聞こえた。
しかもシートに振動がくるほどの衝撃波。
R-Junkie からの刺角か?
応戦せねばと手裏剣を探すが見あたらない。
『パン!パパパパパ!』
問答無用、もう蜂の巣状態だ。
車を止めてエンジンを吹かしてみる。
どうやら刺客ではなく、バックファイヤー、
正確にはアフターファイヤーと言うのだろうか。
高回転まで回した後のアクセルオフ、
またはエンブレで強烈に発生する事が分かった。
その衝撃といったら尋常じゃなく、
マフラーのタイコは暴れ太鼓とかし、
ちょっとした夏祭りの勢いなのだ。
以前はこんなにまで盛り上がってなかったのだから、
点火系だろうと原因を探す。
すると、どうやらアクセルオフでスロポジが0%となると、
点火時期はアイドルとなり10度に固定される事を発見した。
燃料カットの起きるインジェクションなら何の問題もないが、
FCRだとアクセルオフでも燃料が出てしまうようで、
空燃比は濃い数値をしめす。
そこにもって10度の点火時期。
これが原因ではないだろうか。
試しにアイドルON&OFF開度を0に設定し、
アイドル状態をなくしてみる。
すると多少ぎくしゃくはするものの、
アフターファイヤーは大人しくなった。
しかし今度はお約束のように別の問題が発生する。
回転落ちが極端に悪いのだ。
特に二千回転付近がお気に入りなのか、
いつまでたっても降りてこない。
仕方なく今度は点火マップのアクセル開度0%付近を、
10度に打ち直してみる。
これで、なんとか乗れない事はなくなった。
まずは点火マップ云々よりも環境整備が先のようだが、
マップによりフィーリングの違いは、
恐ろしいほどである。
速くもなれば遅くもなる。
すべては20×18の箱の中身にかかっている。





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